それらが今につながる「事業」として発展していきます。
留学生と地元企業を結び付ける
2010年に茨城空港が開港し、県内企業の海外進出・インバウンド事業は一気に加速していきます。一方、当時県内の大学には2700名ほどの留学生が在籍していましたが、ほとんどの企業は留学生を有効に活用するツールやノウハウを持っていませんでした。
そこで優秀な留学生と地元企業を結び付けようと、「留学生ドラフト会議」事業に着手。本事業への期待と反響は大きく、おかげで第一回目の常陽ビジネスアワードで奨励賞を受賞することができました。これを機に県内でも多くの方に知っていただけるようになり、後の事業化への足掛かりを作ることができました。
留学生人材を活用する大事なポイント
とはいえ、採用がうまくいったとしても実際に入社してからの課題は依然としてありました。多いのは留学生の能力をうまく活用できなかった結果、彼らがやりがいを感じられずに辞めてしまうケースです。
ここで留学生を活用するいくつかのポイントを紹介します。ひとつ目は、「将来のビジョンを明確にする」。企業の未来と留学生本人のビジョンをすり合わせて、目標をきちんと一致させることが重要になってきます。
ふたつ目は、「役割・処遇をはっきり伝える」。留学生に期待する役割をあいまいにしておくと、本人も何のために自分が採用されたのかと、あまり意味を感じなくなってきてしまいます。
また、日本人と違って、外国人は自分への評価や処遇をきちんと示してほしい特徴があるので、がんばった分をきちんと評価し、お給料に反映させてあげるとモチベーションが上がると思います。
最後に、これもとても大切なことですが、「コミュニケーションをとること」。ほとんどの場合、社内でも外国人は少数なので、ホームシックになりやすいです。日頃から会話や食事などを一緒にしたり、または他の会社の留学生と交流の場を作ることによって、安心感や会社への帰属意識が生まれてくると思います。