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在留外国人とともに暮らすこれからの茨城 vol.1
文/瀬尾 匡輝
茨城大学 グローバルエンゲージメントセンター /地域未来共創学環 准教授

みなさん。初めまして。茨城大学で教員をしている瀬尾匡輝と申します。黄磊さんからの依頼を受け、このコラムを書かせていただくことになりました。初回はまず自己紹介も兼ねながら、このコラムでどんなことを書こうと思っているかについて書いていこうかなと思います。

2015年に茨城大学に着任し、留学生に対する日本語の授業、日本人学生と留学生がともに学ぶ国際共修の授業などを担当しています。茨城大学に来る前は、高校の時に交換留学生として1年間アメリカ・ミズーリ州に滞在し、大学・大学院はアメリカ・ハワイ州で学び、その後6年間は香港の大学で日本語を教えていました。専門は言語教育で、海外を拠点に研究・教育をしてきた関係から、海外の日本語教育のあり方について主に研究をしてきました。茨城に来てからは、地域と連携をしながら、日本国内の多文化共生に向けた実践や研究にも取り組んでいます。

すでにご存じの方も多いかと思いますが、茨城県には、97,038人(2024年6月時点)の在留外国人が暮らしており、その数は全国で10番目に多くなっています。特に県南地域では、人口に占める在留外国人の数が10人に1人という市町村もあります。茨城の産業を支える農業の現場や製造業の工場では、外国人がいなければ成り立たないという状況も生まれつつあり、今後もますますその数は増えていくことが予想されています。しかしながら、SNSを見てみると、外国人を排斥するような投稿も多くみられ、日本国内において在留外国人を受け入れる土壌が果たしてできているのかと疑問に思うことも多々あります。

私は、高校時代に1年間、アメリカのミズーリ州のある田舎町に暮らしていました。ある日、スクールバスに乗っていると、小学1年生ぐらいの女の子が話しかけてきました。

「どうしてあなたの英語はそんなに変なの?」

私は、「日本から来たからだよ」と答えたら、「日本ってどこ?」とその子は聞きます。私が、「ここから遠い場所だよ」と言ったら、「それはカンザスシティーよりも遠いの?」と……。

その女の子の世界に対する意識はその後変わっているのではないかと思いますが、SNSでの外国人に対する偏見を持った投稿を見ると、この小学1年生の女の子のような小さな世界観のまま、大人になってしまっているのかなと感じてしまいます。大学の時に受講した社会学の授業で、先生が、「偏見というものは、『Fear of Unknown(知らないことへの恐怖)』と『Fear of Change(変わることへの恐怖)』から生まれる」と言っていたことを今、思い出します。すでに述べたように、これからの日本社会では、外国人がいないということはあり得ません。外部から来る人を完全に閉ざすのではなく、その人たちのことを知り、自分自身も変わっていくことが大切なのではないでしょうか。このコラムでは、私が茨城大学で行っている研究や実践の紹介を通して、在留外国人とともに暮らすこれからの茨城について皆さんと一緒に考えていければと思っています。どうぞよろしくお願いいたします。

ハワイ時代に担当した日本語の授業での様子
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