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茨城×中国INTERVIEW #02【株式会社三上建築事務所】

INTERVIEW │ 株式会社三上建築事務所

構造設計室 陸金明さん(宇都宮大学大学院H30卒) / 広報・通訳 金昱伸さん(茨城大学H26卒)

 

- 三上建築事務所に入社したきっかけは?
金:日本の大学に留学後、茨城県観光物産協会で空港勤務していました。結婚・出産を機に退職しましたが、子供が幼稚園に通えるようになったのでまた仕事をしたいなと思っていたところ、「中国市場開拓にむけてスタッフを探している会社がある」と三上建築事務所を紹介してもらったのが最初です。
今は広報や通訳の仕事をしていますが、建築業界は初めてなので最初は戸惑いました。でも、建築に関する疑問から会社での些細な質問まで、気軽に聞ける優しい陸さんがいて助かりましたね。陸先輩は会社行事のドレスコードまで教えてくれるんですよ(笑)

陸:私は中国の大学で建築と土木を学び、卒業してすぐ現場の管理と測量の仕事につきました。ただ、当時の中国の現場では人身事故が多く、使っている材料も安全ではなかったんです。管理の問題もあるし、設計をする人がきちんと設計をやっていないように感じていました。
ちょうどその頃に四川大地震が起こり、たくさんの建物が崩壊しました。将来の中国は耐震設計をちゃんとやらなくてはいけない。耐震設計に詳しい日本で学びたい、と思い日本に留学し、その後三上建築事務所を紹介してもらいました。

中国人としての経験や能力を活かし、三上建築事務所の海外展開に励んでいる。

- お二人とも日本語がとてもお上手です。
陸:ですが一番大変なのは、やはり日本語。上司の指示をちゃんと理解すること、スタッフとコミュニケーションをとること。
これができないと事故につながる可能性があるので、重要です。

金:でも「何でそんな日本語まで知ってるの!?」って驚かれることもあります(笑)

社内での日常会話からミーティングまで、二人は流暢な日本語で参加している。

 

- お二人から見た三上建築事務所の強みは何でしょうか?
陸:自社にデザイン部門だけでなく構造設計部門もあることです。デザインや設計の「見える部分」のレベルが高いのはもちろんですが、目には見えない構造的な安全性の設計まで完璧を追求します。それこそ“日本設計”であり、三上建築事務所は“日本設計”を望む海外のクライアントの期待に応えられると思います。

金:社内のことで言うなら、スタッフの働きやすさや働く意欲が彼らの作品のクオリティと関係があることを理解する社風があること。私自身も10時~16時の短時間労働の条件を受け入れてくれて助かりました。それに出社が難しい場合は、会議等に自宅からリモートで参加しても良いように配慮していただいています。
あと「タイムカード」もちょっと変わっていて。ただの顔認証式タイムカードではなく、笑顔でないと認証されない仕組みなんです。社員が笑顔で仕事を始めて、笑顔で退社できる環境があるからいい作品ができ上がる。もし笑顔になれないのなら、会社はその理由を探り、解決しなくてはならない。そんな風に会社は考えてくれているのですね。

-これからの目標を教えてください。
金:プロジェクトの完了によって仕事の流れに悪い意味で一区切りつけてしまわないように、完了したプロジェクトを新しいビジネスチャンスにつなげるのも広報の仕事です。そのためにも広報についてもっと勉強して成果をあげたいです。

陸:この会社で僕は同期より年上。もっと成長のチャンスがほしい。同期より頑張らないと。現場にもどんどん出て、安全な設計、そして安全な現場設計ができる人間になりたいです。

6月に建築画報にて特集号が発行されるなど、三上建築事務所は業界内外から今後さらに注目される存在だろう。

 

株式会社三上建築事務所│水戸市│

事業内容/建築に関する調査・研究・企画並びに設計監理
創業/1934年(昭和9年)
事業所/本社及び各オフィス[東京・九州・蘇州・大連]

http://www.mikami-arc.co.jp/

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