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中国語圏フォロワー178万人超 大人気ユーチューバーRyuuuTVが茨城に住む理由

中国語圏フォロワー178万人超 大人気ユーチューバーRyuuuTVが茨城に住む理由

社会に浸透するYouTube、高まる影響力

先般、NTTドコモ モバイル社会研究所がYouTube利用動向に関する調査を実施した。そこでYouYubeの認知率はどの世代でも90%を超え(20代以下はほぼ99%)、60代以上のシニアの利用率すら50%を超えようとしているという結果が公開された。YouTubeの今や世代を問わない、きわめて高い浸透率が明らかになった形だ。

また、動画視聴の70%はモバイル端末からであり、毎月スマートフォンで7時間以上動画を見ることが平均(参照:Digital Trends 2019上半期|ニールセン デジタル株式会社)だという昨今の状況において、動画にまつわるビジネスの世界は常に変化と膨張を続けている。

ゆえに、SNS等で影響力をもつインフルエンサーの価値も年々高まり、広告のあり方を変えた。ちなみに彼らにプロモーションを依頼する際の相場は、フォロワー数やチャンネル登録者数をもとに見積もられる傾向がある。あくまで一例としてあげれば、1フォロワーあたり2円~5円。フォロワー数が多いほど、単価があがると言われている。フォロワー数やチャンネル登録者数は明確な「ファン」「支持者」であり、動画配信者の影響を強く受けやすい、つまりプロモーション効果が高い人の数と認識されるからだ。

登録者数178万人という「売れっ子」YouTuber

さて、YouTubeチャンネル『RyuuuTV』を運営するRyuさんは、妻のYumaさんとともに動画を配信し、チャンネル登録者数は178万人を超えた。主に日本文化に関する内容を発信し(動画内では基本中国語が使われている)、香港・台湾をはじめとする中国語圏に日本で最も影響力を有するYouTuberといっても過言ではない。

このチャンネル登録者数178万人という価値を単純に比較すれば、「ポケモン公式YouTubeチャンネル」とほぼ同じで、芸能人の「石橋貴明」「手越裕也」より10万人以上多い(2021年7月現在)。と言えば、少しイメージしやすいかもしれない。有名キャラクターや有名芸能人と互角以上のファンをもつ、端的にいえば有名人なのだ。

そんな有名人が水戸に住んでいることを、あなたはご存じだったろうか。

母校・茨城大学にて。Ryuさんと動画制作の出会いは『LI』発行人・黄磊が学生時代に起業したベンチャーでのアルバイト!?

後悔から一転、茨城で出会った人生を変えた「縁」

「正直にお話ししますと、数学が苦手で(笑)。茨大の入試は数学なしだったので出願したら、たまたま受かりました。それで茨城にきました。それがはじめての茨城です。」

Ryuさんはマレーシア出身。マレー語・中国語・英語、そして日本語を流暢に使いこなすマルチリンガルだ。東京池袋の日本語学校で2年間学んだ後に初めて訪れた茨城は、想像以上に田舎で後悔したという。

「東京からバスに乗って、徐々に景色が田んぼになって『うわー、どこだここ!?』みたいな(笑)。でも1年ぐらい住んでみると、ちょうどいいなあって。あ、マレーシアの出身地は茨城よりずっと田舎ですよ(笑)。」

Ryuさんは大学在学中のアルバイトがきっかけで動画の撮影に出会う。

「アルバイト先で仕事用にパソコンとビデオカメラを与えられていて。パソコンの勉強本を買おうと思って行った茨大前のブックエースで、たまたまヒカキンの本を見つけた。それがきっかけで自分も動画投稿をはじめました。最初の頃は納豆大食いみたいなことをしてみたり。」

同じく在学中だった妻のYumaさんと知り合ったのも茨城大学。あえて選んだ茨城ではなかったが、結果的に人生を変える出会いが続いた。Ryuさん自身は「縁」であると表現し、茨城での生活を楽しんでいる。

「東京で仕事する機会も多いけれど、YouTubeの活動って、どこに住んでいるかは関係ないですから。それならやっぱり、茨城が住みやすい。場所も食べ物も良い。偕楽園の梅まつりでは水戸市と協力して『RyuuuTVツアー』を開催したりしました。おすすめのお店?『タヴェルナハンバーグ』にはよくいろんな人を連れて行きます。以前、東京にいるマレーシアの偉い方にお店を紹介したら、それからほぼ毎週わざわざ都内から車で通うようになったそうです(笑)。」

茨城県でツアーを開催できるほどの彼の動員力は、国外のイベントに招待されることからもその大きさを物語っている。しかし、その一方でほとんどの日本人はRyuさんのことを知らず、彼は水戸で「普通に」暮らしている。この現実における有名と無名のバランスが、彼の生来の「邪気のなさ」を棄損する要因から遠ざけ、今なお人間的魅力を育んでいるように感じる。それはファンを惹きつける大事な要素だ。

いわゆるオトナがニュースで耳にするYouTuberはトラブルメーカーであることが多いが、Ryuさんに関してはその印象は全くない。現在の彼のこうした立ち位置も茨城との「縁」あるおかげと言ったらRyuさんは否定するかもしれないが、そうであると良いなと一茨城県民として私は思う。

2019年に水戸市と協力して開催したツアー。40名の定員に国内外からファンが殺到した。

インフルエンサーが感じるYouTubeの本質

「YouTuberです、っていうのはもう古いです。YouTubeでしか仕事ができない人になってしまう。YouTubeはあくまで自分のブランドを作るためのプラットフォームのひとつで、自分たちの初心として『日本を紹介したい』というのは変わらないから、そのより深いところを、動画に限らず音声や文章などをいろんなメディアを通してそれを発信していきたいですね。」

これからのチャレンジを通してRyuさんは中国語圏だけでなく、もしかしたら茨城県で、日本全国でもっと有名になるかもしれない。

その時、彼の魅力の源のひとつが「茨城県民」であるような関係を、Ryuさんと茨城県が築いていけたなら、発信者と地方都市の新しい互恵関係のモデルになるような気がしてならない。

ついにはイベントでヒカキンと共演したRyuuuTV。これからさらなる活躍を見せてくれることだろう。

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