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INTERVIEW【社会福祉法人 木犀会 ケアステーションモリヤ 王俊達さん】

INTERVIEW │社会福祉法人 木犀会 ケアステーションモリヤ 王 俊達さん

- 王さんは長野県でとび職に就いておられたと聞きました。ユニークな経歴ですね。
そうです。長野県松本市で特定技能実習生として、とび職に就いていました。日本に興味を持ったのは、多くの人と同様ですが私も日本のアニメ、ゲーム、音楽などが好きでした。このまま年を取ったら出国のチャンスはないだろうと考え、思い切って特定技能ビザで2019年に来日しました。

念願の来日を果たしましたが、建設現場の仕事は想像以上に重労働でした。危険も伴いますしね。雨、強風、猛暑、極寒の日の苦労は筆舌に尽くしがたいです。

そんな折、LEIDEASの黄磊社長から木犀会の介護職を紹介してもらい、今年から茨城に来ました。

- 茨城の感じはどうですか? また木犀会でのお仕事の手応えは?
茨城は大きな県で、長い歴史の雰囲気を感じました。まだ来て間もないですが、職場の皆さんはとても親切にしてくれています。とくに寮で一緒に住んでいるベトナム人は、気遣いがとても細やかで勉強になります。

介護する高齢者もみんな優しい人たちです。一緒に麻雀したり、ポーカーしたり、お絵かきしたり、彼らとの交流を通して日本文化をたくさん感じることができますし、私の日本語の練習にもなります。

施設にはいろいろな人が入居していますが、多くは脳の病気を抱えています。ろれつが回らない人もいれば、まだ40代の若い人までいます。介護の仕事を通して、健康のありがたさを実感しますね。あと、ブルース・リーとジャッキー・チェンのカンフー映画が大好きな方がいます。そのせいか中国人の私に興味を持ってくれて、いい交流を育んでいます。

- 茨城に来たばかりなのに、とても生き生きと仕事されていますね。
毎日人と交流して、新しいことを覚えて脳をフル回転させる今の生活は大好きです。子供たちに中国語を教える機会もあって、「せんせい!」と呼んでくれたりして尊重されていることを実感し、喜びをかみしめています。

とび職は本当に大変でした。ただ、あの経験があったので、今が天国に感じられます。今後もこの仕事に携わりながら、長く日本で生活していきたいと願っています。

- 中国の介護事情については、どう感じますか?
中国は日本のように高齢者の「自立」を支える補助介護ではなく、全部のお世話をする介護です。考え方が日本と異なり、お金をかけて豪華な介護サービスを受けるという商業的な側面が強いといえます。介護スタッフはメイドのような感じですね。ただ、日本式介護を学ぶと、中国のやり方が高齢者のためになっているのか疑問を感じます。

いずれにしても、中国の高齢化社会もかなり深刻な状況になりつつあります。だからこそ今、木犀会で働いていることを未来の財産にできるように頑張りたいです。

社会福祉法人 木犀会

茨城県笠間市鯉淵6266-185
http://www.mokusei-grp.jp/
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