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【特集】外国人にも違和感がない楽な茨城暮らしを。Navigate Life in Japan

BUNKA BUDDY Founder & CEO Meghan Mendoza(メガン メンドーザ)

国際基督教大学への留学を経て、英語教師としてひたちなかで勤務したメガンさん。明るく行動的な彼女の活動は目覚ましく、日本人男性との結婚をはじめ、IMG臨時職員としてラグビーワールドカップに関わる等など様々な経験を積み重ねています。
そんな彼女が新しくはじめたサービスは、外国人が日本で暮らしやすくなるための手助けでした。

日本に暮らす外国人の「些細な日常」

「私にとって茨城はホームタウン。私はニュージャージー州の小さい町から来ているから。ニュージャージーは海も近いし、山も近い。それでいてニューヨークまでも近い。ひたちなかと似ている。ひたちなかは何だか本当に実家みたいで楽な感じです」

アメリカ出身のメガンさんは、初めて日本に来てから10年以上たちます。活動的でよく笑う。国籍を問わず、ボーダーレスに誰とでも仲良くなる。
そんな彼女が今年の9月に『BUNKA BUDDY』という会社をはじめました。
端的に言えば、茨城の暮らしの中で困っている外国人をサポートする会社です。

「例えば宅急便の再配達とか銀行口座を作るとか、そういう日常のことを日本語だけではできない人がいっぱいいて。私は茨城に来た時からそれなりに自分でそうしたことはできていたから、他の人に教えてあげることができていました。でも“あんまり迷惑をかけっぱなしにしたくないから、お金を払って依頼できるようなサービスがあるといいな”と言ってくれる友達もいて。それなら私がやってみようと」

日本に暮らす外国人は約290万人、茨城県には約6万8,000人が生活しています(全国10位 ※出入国在留管理庁「在留外国人統計」より)。最も多いのは中国人ですが、もちろんそれだけではありません。世界各国いろいろな国の出身者が茨城県でも生活しています。
標識や行政サービスなどが多くの言語に対応しつつあります。しかし都市部や一部の例外を除いて、やはり日本語がうまく話せない人にとって、日本での生活は我々が想像する以上に困難です。それが日本人にとって些細な日常に類するものだからこそ、日本人から見落とされやすいのかもしれません。

「特に依頼が多いのは病院。言葉や病院の仕組みが分からなくて、普段から病院に行かないようにしている外国人は多いです。たまに怒っちゃう医師の方もいます。“日本語が分からないなら別のところに行って!”と…だから病院に行けない外国人が結構いるんです」

父を通して憧れた海外

「小さい頃からお父さんは製薬会社に勤めていて、出張で外国に行くことが多かった。なので外国からお土産を買ってきてくれるんですね。それで“お父さんみたいに外国を見てみたいなあ”と思っていました」

コロンビア系の家庭に生まれたメガンさん。祖母はスペイン語、両親は英語を話し、姉はイタリア語を学んだという国際色豊かな一家の例に漏れず、自身は最初の留学先にフランスを選びました。

「じゃあ誰もやっていないフランス語に挑戦しようと思って。スペイン語とフランス語は結構ラテン系だから似ているところが多くて学びやすかったですね。ホストファミリーは本当のブルジョワ。パリから1時間ぐらいの場所に、家が3つあって、地下にはワインがいっぱいあって、庭に森まで!貴重な経験でした」

およそ1年のフランス留学後、アメリカのミドルベリー大学(※米国最古のリベラルアーツ大学のひとつであり、入学に関しては米国最難関校のひとつ)に進学。大学選びではいくつかの重視した項目があり、“日本語が専攻できる”ということも重要な項目でした。

「次はまた別の言葉にチャレンジしてみようと思って考えた時、私は小さい頃から日本のアニメが好きで。『ドラゴンボール』とかアメリカのテレビで見ていました。日本語をインターネットで調べていくうちに、大学生になったら日本語を学びたいなと思って。実はフランス語も日本の漫画で勉強したんですよ!ホストファミリーの子供が漫画のコレクションをしていて、『るろうに剣心』とか『鋼の錬金術師』とか。フランス語版だったので、それがとても勉強になった。それが日本語にもつながっているのかも」

BUNKA BUDDYが役立てること

「メガンは明るい感じで話しやすい人だと自分でも思ってるので(笑)、そういうスキルを使いながら日本に暮らしている外国人がもうちょっと楽になればいいなと」

複数の言語を流暢にあやつるメガンさんがサポートできる対象と範囲は広いです。

「病院の相談以外にも、銀行や在留カードのことを聞かれることも多いですね。それに、スーパーでの買い物のお手伝いなんかも喜んでやります。例えば食べ物のアレルギーに関する表示を確認したりとか。あと一昨日、府中の運転免許センターに行ってきました。“申込書が読めないのでお願いします”ってわざわざ東京から連絡をくれて。もしかしたら意外と東京にもこういうサービスは少ないのかもしれませんね」

日本で生活している外国人がすべて日本語を完璧に話せるわけではありません。そうした外国人の中には「暮らしにくいなあ、早く母国に戻りたいなあ」と思っている人がいることでしょう。
それでも仕事やいろんな理由で、日本でしばらく生活をしなくてはいけない状況もあります。

「そういう人たちが生活する中で抱えている暮らし難さ…日常の違和感かな。そういう違和感を少しでも減らして、日本での生活を楽にしてあげることができたらなと思っています」

BUNKA BUDDY(ブンカ バディ)

翻訳、通訳、企画プロモーター、アテンドを中心に病院や銀行、役所への付き添いなどを含め、在日外国人の生活を楽にするための言語サポートサービスを提供している。
茨城県内の活動が中心だが、県外への出張サービスも可能。
https://jp.linkedin.com/in/meghan-mendoza-ibrjpn
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