注目記事
花火とともに真夏の「留学生みらい会議」開催

留学生のキャリア支援を手掛けている株式会社LEIDEASは、就職支援に加えて、現在は起業支援にも注力しています。その象徴的な取り組みが「留学生みらい会議」です。

経営者や有識者を講師に招き、起業につながるような情報を講演。留学生たちは聴講するだけでなく、ときにはプレゼンを行って交流を深める公開会議です。すでに7月27日で4回目に突入。茨城大学前にオープンする「23RD studioアネックス」のお披露目も兼ねて、こちらで初開催しました。

100人の経営者と出会っていく!

司会を務める矢吹由香里さん(合同会社フック CEO )が本会議の趣旨を説明。次いで、23RD studioアネックスのオーナーである関川恵一さん(㈱関川畳商店 代表取締役)は、今後この建物がリノベーションを経て、地域や大学との相乗効果を生み出すことへの期待を述べました。

そして、㈱LEIDEAS 代表 黄磊は開会の挨拶で、「少しでも多くの留学生発ベンチャー企業を育て一緒に成長していくため、100人の経営者と出会って知見を深めていく。1年で10社、10年かけて100社に会っていく!」と決意表明をしました。

起業希望者はまずは相談を!

橋本特定行政書士事務所 所長 橋本哲さんが、『学生発アントレプレナーへの道』というテーマで講演。実は、黄磊が茨城大学を卒業するとき、起業の相談に乗ってくれて二人三脚で準備を支援してくれたのが橋本さんでした。「当時は書類をそろえたり資金をやり繰りしたり大変でしたね。それでも会社を興して、今ではこんなに立派に事業しているのですから、本当に行政書士冥利に尽きます。ぜひ多くの留学生が黄磊先輩の後に続いてほしい」と述べました。

とはいえ、橋本さんが説明した「起業するための法律的な条件」を聞くと、留学生が日本で起業するのはハードルがあまりにも高すぎると感じました。というか、ほとんど無理では……。

「日本の入管法は厳しく一度不許可を受けると、残って不利になる。だからこそ計画段階から相談してほしい」と橋本さんは留学生たちにアドバイスしました。

私の研究成果をどんどん生かしてほしい

次はChemical Design Labo. CEO 蓼沼克嘉さんが『ヨード担持活性炭(IodAC)活用ベンチャー支援事業』について発表。蓼沼さんは研究成果をビジネスに昇華させてきたパイオニア。まだ、日本で「ベンチャー」という言葉が一般的でない頃から、この分野を切り開いてきました。

蓼沼さんたちが開発した抗菌作用を有する素材(ヨード担持活性炭)は、これまで猛威を振るっていた鳥インフルエンザにも効果があるとして、特許出願も行っています。そして、これまでの成果を元にしたアメリカの水質汚染改善についてレポートを発表しました。

蓼沼さんは「私の研究成果をどんどん皆さんの事業に生かしてほしいと願っています。自分の祖国に帰って利用してもいいでしょう。ご興味ある方はお気軽に連絡ください」と述べました。

カンボジアと日本の架け橋になりたい!

次は『日本-カンボジア国際経済促進プロジェクト』というテーマで、カンボジアにつながりのある二人がプレゼンテーション。まずは、カンボジア出身で㈱LEIDEAS RAKSA事業マネージャー ラック チャンクンティさんが、カンボジアの現状についてレポートしました。

カンボジアは一般の日本人にとっては、ほとんど情報がない国のひとつ。貧富の差がまだまだ大きく、首都プノンペンと山村部では収入に大きな隔たりがあるとのこと。稼げない山村部の人は海外に仕事を求め、そのうち日本には約2万人が在留しており、うち1万5000人が技能実習生に分類されるそうです。

「彼らは日本に来てもなお、文化の違いや収入の面で不安な生活を送っている人も多いです。それなら、両国の言葉や文化がわかる自分が、その人たちの力になりたいと思い事業を始めました。カンボジアと日本の架け橋として、多くの人材を送り出すことを目指しています。その一環として、次にお話される安部会長のKIRIKEN社とも関わっていければと思っています」と述べました。

柔軟に考えを巡らせることが大切

その株式会社KIRIKENの代表取締役も務めている共栄通信工業㈱ 代表取締役会長 安部徹さんが
最後のプレゼンテーター。

KIRIKEN社ではカンボジアに開設されたアジアイノベーション大学、vKirirom Pine Resortの経営・運営の支援などを行っています。アジアイノベーション大学は、カンボジアの国立公園内に誕生したばかりの大学。完全英語で授業を行い、プログラミングと自然教育を全寮制で学ぶのが特徴。コロナ禍や資金難などの逆境に遭いながらも、色んな人たちの想いや奇跡が積み重なって実現に至りました。安部さんも奇跡を紡いできた人たちの一人であり、同大学の副理事長も務めています。

「私自身はやりたいことをどうしたらできるようになるかを常に考えていますし、とても諦めの悪い人間です。ですから、どうせダメだから動かないというのが嫌です。皆さんも自分の手段で無理だと思って、すぐ諦めていませんか? 色んな考えを巡らせれば、どれかはヒットするかもしれません。若い学生さんなら、なおのこと何でも取り組んでほしい」と安部さんは熱く語りました。

ご馳走を食べながら花火観賞

講演とプレゼンが終了した後は、お待ちかねの打ち上げです。この日のために茨大前食堂とうけい木蘭酒家が腕を振るってご馳走を準備しました。

そして料理を持って屋上に移動。なにせ、この日は水戸黄門まつり 水戸偕楽園花火大会。ときどき雨も降りましたが、なんとか花火大会は続行。夏の夜空をキレイに彩りました。

「留学生みらい会議」-ここは夢や目標を持った人が集まる場所。勉強も事業も一筋縄では行かないけれど、仲間たちと語らえばポジティブに道を進むことができます。興味がある人は、ぜひ次回のみらい会議に足をお運びください。

おすすめの記事