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地域資源にフォーカスした「留学生みらい会議」vol5
奇想天外なストーリーが続出して盛り上がった「微分帖ワークショップ」

留学生を中心とした起業や、地域おこしをテーマにした留学生みらい会議。早くも第5回目が8月31日に開催されました。LEIDEAS代表の黄磊に続いて、地域の顔役である川又一郎さんが開会の挨拶。「この地域は子供がほとんどいなくなり、高齢者ばかり。私たちが変化を起こすのは難しいですが、皆さんのように新しい目で見ていただければ、発展の可能性があるかもしれません」と述べました。

なお、前回の留学生みらい会議については下記をご覧ください。

「水戸浪漫商店会」の展望

トップバッターは水戸浪漫商店会 会長 松本寛さん(H.E ワークス 代表)。水戸浪漫商店会は、末広町連合商店会を引き継ぐ形で、保和苑周辺地域の事業者によって新たに組織。「浪漫」の名称は、保和苑周辺地域の愛称「水戸のロマンチックゾーン」から。7月9日には23RD studioにて設立総会が開催され、高橋靖水戸市長も出席されました。市や地域住民からの期待の大きさがうかがえます。

23RD studioにて行われた「水戸浪漫商店会」設立総会。駆け付けた高橋靖水戸市長(右から3番目)と松本商店会長(写真右から4番目)。

 
「水戸浪漫商店会は、保和苑周辺から茨城大学までを含む広域の商店会です。今では商店も数えるほどしかありませんが、この広域には学校が10校以上もあります。これからは商店会と学校で連携して、学生さんたちを巻き込んでイベントやフリーマーケットなどを開催し、地元活性化に繋げていたい」と松本さんは展望を語りました。

「水戸谷中物語」として形に残していきたい!

次は奥村かえでさんによる「水戸谷中物語」についてのプレゼン。かつて保和苑や二十三夜尊周辺は「谷中(やなか)」呼ばれ、料亭が立ち並ぶ繁華街として栄えていました。それが時代の変化とともに人や店が減り、今ではすっかり寂しい町に。

それでも奥村さんは「私はつくば市出身で、外から見たら谷中が培ってきた歴史は魅力的。このまま忘却されてしまうのはもったいない。当時の記憶がある人がいらっしゃるうちに、なんとか形にしてみたいと手探りで活動しています」とのこと。

現在、関係者に取材を行い、小冊子や写真集としてまとめている奥村さん。その他、谷中関係者を招いて当時の貴重な話を聞く「続・水戸谷中の旦那衆」という交流会も木蘭酒家にて開催中。一方、これらをすべて一人で行うことに限界を感じており、何でもいいので手伝ってくれる人を募集中とのこと。興味がある人は、ぜひご連絡を!

次いで、奥村さんは町の魅力を伝えるストーリー作りに役立ちそうということで、「微分帖」(びぶんちょう)ワークショップを実施。ちなみに微分帖とは……

(1)1番目が紙を二つ折りにして、4ページの本をつくる。
(2)それを読んだ2番目が内側真ん中に一枚入れて、また書き加えて8ページの本にする。
(3)3番目が12ページの本にする。
(4)4番目が16ページ、5番目が20ページ・・・と繰り返す。

以上のように、他の人が途中の文章を肉付けしていくので、奇想天外な物語になったりする共同作文遊び。今回は3つのグループにわかれて創作開始。どのグループのストーリーも予想外過ぎて、会場は大爆笑でした。

奇想天外なストーリーが続出して盛り上がった「微分帖ワークショップ」

「常陸国ロングトレイル」をプロジェクト化するまで

最後は水戸商工会議所副会頭、株式会社ナムチェバザール 代表取締役 和田幾久郎さんが、「常陸国ロングトレイルプロジェクト」について発表。アウトドアショップを経営している和田さんは、趣味でもトレイルランニングを楽しんでいます。

「県北エリアでトレイルランニングをしていると、今も残っている里山や、昼と夜で異なる美しい光景に魅了され、これらを地域振興につなげることはできないかと考えるようになりました。
そこで、いっそのこと県北6市町をつなげた320kmのロングトレイルコースを作る構想を考えました。それを県に対して提案してみたところ、そんな長大なコースを作れるわけがないだろうと却下されました。まぁ、おっしゃる通りだったんですが……」

それでも、その後は面白そうと感じてくれる職員も現れ、県庁内に勉強会が作られることに。それを2年間続けて県議会なども巻き込みながら、なんとか正式のプロジェクトとして発足。そして、「茨城県北ロングトレイル協力隊」が組織され、トレイルの整備や、関連活動が進められています。今では協力隊にエントリーした人は760名にものぼり、長大なコースの大部分が整備されているとのことです。

「他地域が発展しハコモノが作られていくなか、県北地域は周回遅れで走っている感じでした。ですが、ハコモノはそのうち老朽化し、必ず改修か撤去に迫られます。しかし、今はどこにもそんな予算がなく、逆に負担になってしまっている。一方、県北は出遅れたおかげで余計なハコモノがなく、豊かな自然も残されたまま。周回遅れだったのが、気づいたらトップランナーになっていた状況なんです」と県北の魅力を力説する和田さん。聴衆一同、目から鱗が落ちる思いでした。

プレゼン終了後の記念写真。

恒例の木蘭酒家での打ち上げ。

 
今後も留学生みらい会議からユニークなビジネスプランが続出しそうな予感!! 乞うご期待!

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