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茨城ロボッツのヤンジェミン選手を迎えて留学生座談会!
活躍している外国人材や留学生を紹介する本コーナー。まだ第2回目ですが、いきなりスペシャルなゲスト! 茨城ロボッツに新加入した、韓国人のヤンジェミン選手です。またとない機会なので、茨城ロボッツ協力のもと、茨城大学に通う留学生も呼んで2025年11月30日、「茨城ロボッツ × 留学生みらい会議 ヤンジェミン選手座談会」を開催しました。

Dr.イエロー(LEIDEAS代表 黄磊)
元留学生の起業家。バスケットと町おこしが趣味。亀10匹飼っている。

GUEST ヤンジェミン選手(茨城ロボッツ)
構成・文/滝口 亮
海外プレーに挑戦する理由とは?

シーズン真っ最中にもかかわらず、ご足労いただき誠にありがとうございます。私もバスケットボールをやっていて、観戦も大好きです。
ですから、今回の企画は本当にワクワクしていました。いやあ、それにしても大きいですね!!

ははは。201cmあります。たしかに皆さんから見ると大きいですよね。ただ、プロバスケの世界では「普通」になってしまいます。あらためまして、韓国から来ましたヤンジェミンと申します。2025-26シーズンから茨城ロボッツに加入しました。
今回こういう場をセッティングしていただき光栄です。私も16歳のときに、言葉がわからない状態でスペインに渡り、苦労した経験があります。留学生の皆さんと同じ気持ちを体験してきたので、色々とお役に立てると思います。ぜひ活発に情報交換しましょう。

16歳って高校生ですよね。それでいきなりスペインですか!? そもそもバスケットボールを始めたキッカケは何でしたか?

両親がバスケ関係者で、兄もやっていたので自然と始めていました。高校生のときスペインのプロクラブでプレーする機会を得たので、思い切って飛び込みました。ですが、当時はスペイン語どころか、英語もしゃべれない。友達もいない状況だったし、本当に大変でした。そこから言葉の大切さを痛感しました。その後、アメリカへ行ったときは英語はしっかり勉強しました。

なるほど、スペインの次はアメリカへ行かれたんですね。

やはりアメリカはバスケットボールの本場ですから、選手はみんな憧れますよね。私もNBA最大の登竜門であるNCAA(全米大学体育協会)でプレーする目標を持って留学しました。まずは2年制のネオショ・カウンティ・コミュニティ・カレッジに通い、NCAAへの編入の準備を行いました。プレーも学業も認められて、ディビジョン1と2を合わせて30チーム近くからオファーがきました。本当に嬉しかったですね。
ところが、予期せぬことが起きます。あのコロナ禍です。世界中の人が不安の日々を過ごす中、私も進路に光が見えなくなりました。なにせアメリカに滞在することさえ、できなかったのですから。しかも、この困難がいつ収束するのか、誰もわからない。自分の立ち位置を決められないまま、時間が流れていくのが本当に怖かったです。

コロナ禍は本当に大変でしたね。私も仕事が全部なくなりました。日本への留学を断念した海外学生も多かったですし、逆に母国に帰れなかった留学生もいました。ヤン選手はその苦しい時期に、B.LEAGUEを検討したということでしょうか?

そうです。当時のB.LEAGUEでは「アジア特別枠(※1)」ができたばかりで、コロナ禍の中でも打開できそうな予感が働きました。そこでアプローチしたのです。そしたら数チームから連絡が来て、一番手応えがあった信州に行くことを決めました。そして来日し、2020年10月B.LEAGUEでプロデビューを果たしました。その後は宇都宮、仙台を経て、茨城に来たというわけです。

国別にすると韓国、スペイン、アメリカ、日本と4カ国。さらに日本でも4都市を渡り歩いてきたわけですね。まるで武者修行の剣客みたいです。言葉のハードルもあるのに、海外でプレーするのはなぜでしょうか?

国内でプレーしていたら、ここまで自分を追い込めなかったと思います。海外でのプレーと生活はタフなことも多い反面、多くの選手と試合から刺激を得られます。常に高いレベルで挑戦していたい。それが理由です。

その想いは、私も含めて留学に来た多くの人たちが共感できます。
では留学生のみなさん、聞いてみたいことありますか?

では、私から。アメリカのように競争が激しいところでプレーしたことは、本当にすごいと思います。大変なことも多かったと思いますが……。

そうですね。アジア人はやはり見下されるものです。バスケはアメリカ人のスポーツだと思っている人も多いですしね。でも、強い気持ちを持つことを常に心がけていました。ランゲージバリアがどうしても生じてしまいますが、言葉を間違っても気にしないで、自分から話しかけることが大事です。私もどんどんコミュニケーションしていった結果、少しずつチームの一員として歓迎してもらえるようになりました。

ありがとうございます。私も積極的に日本語で話しかけ、可能性を広げられるよう挑戦していきます。

茨城ライフ、練習&オフのバランス

茨城・水戸に来られてまだ日が浅いですが、印象はどうですか? あと、水戸名産の納豆は食べることはできましたか?

静かでキレイな街という印象です。あと自然が豊か。千波湖はいいですね。住みやすい町です。
私は温泉が好きなので、休みの日は温泉を探して行ってます。それ以外はまだ知らないので色々と開拓してみたいです。
それと納豆!! たしかに衝撃的な臭いですね。初めて食べたときは、何だこりゃ!?と思いましたよ。
でも、健康に良いというのは元々知ってました。それから食べ続けていたら好きになりました。今では毎日食べています。

食生活についてお聞きします。海外生活では食事の苦労があると思います。どう対処してきましたか?
また、現在は1日何食ですか? あと自炊はされますか?

食事も避けられない課題ですよね。スペインではパンやパスタがメインなのですが、それじゃ育ちざかりの身体には全然足りなくて苦労しました。アメリカでも食事が合わないときがあって、そのときは辛ラーメンやチゲスープなどを作って食べていました。
それからは渡航先に韓国料理屋があるかを必ずチェックして、食事で困ったときには駆け込めるようにしています。水戸では「オドゥマック」(水戸市河和田2-7-1)によく行っています。韓国人ファミリーがやっているお店でとても安心する味です。
普段は朝の練習が終わってから取るランチと、昼の練習の後に取るディナーの2食です。自炊は暇なときにたまにやる程度。しかもキムチチゲスープなどのシンプルメニューです。

練習が大変だと思ったことはありますか? どのように気分転換していますか?

小さい頃からずっとバスケットをやってきましたが、練習を辛いと思ったことはないです。自分に合っているのかもしれません。
ただ、練習だけをするのは良くないですね。私は日本に来て3年目まではずっとバスケットばかりをしていましたが、それだとパフォーマンスに限界が来ました。それからはチームメイトと飲みに行ったりして、メリハリをつけるようにしています。
ですから、皆さんも学業だけでなく、いろんな人と交流したり、日本各地を旅行したりしてください。その方がきっとよい結果が得られると思います。

留学生にバスケットの魅力をアツく紹介!

私も趣味でバスケットボールをやっています。ヤン選手は大舞台のとき、どのように感情を整えていますか?

大舞台のときは、どうしても緊張します。そんなときでもキーになるのは、やはり普段の練習です。トレーニングの量と質が自信を生み出してくれると考えています。

茨城ロボッツ公式WEBのプロフィールに、憧れの選手はコービー・ブライアントと書いてありました。彼のどんなところが好きでしょうか?

練習量の大切さを体現した選手が、コービー・ブライアント(※2)ですよね。勝つためには妥協しないメンタリティと鬼のような練習量。プレースタイルをコピーしたいぐらい憧れの存在です。

B.LEAGUEで影響を受けた選手やエピソードはありますか?

日本人初のNBAプレーヤーで、宇都宮ブレックス所属の田臥勇太選手はその一人です。宇都宮との対戦でお会いできたので、記念に一緒に写真を撮ってくださいと頼んだら、気さくに応じてくれました。そしたら次のシーズンで私は宇都宮に移籍して、まさかの同じチームでプレーすることになったのです。彼はすでに45歳ですが今なおリーダーシップが強く、毎日練習して入念に準備する姿勢はプロフェッショナルの鏡だと思います。

私はバスケットボールをやったことも、アリーナで観戦したこともありません。そういう人たちにもバスケットボールの魅力を教えていただけませんか。

アリーナにぜひ来てください。選手との距離が近くて驚きますよ! ドリブルの速さ、選手たちのぶつかり合い、館内に響くシューズ音などとても迫力があります。それと野球やサッカーと比較しても、試合時間がコンパクトでさくさく進みます。あと、室内競技なので、寒い冬季でも暖かいところで観戦できるのもいいところです。

本当にアリーナは迫力がありますよね。ダンスチームのパフォーマンスなどのエンタメ要素も最高です。さっそく留学生応援団を結成して、日立で開催される秋田ノーザンハピネッツ戦に行きます! 多くの人にバスケットボールの面白さを広めていきたいです。
いやあ、それにしても色んな話題を交換できました。私も嬉しかったですが、留学生たちにとっても実り多い時間になったはずです。
最後に、ASIA ALL-STARS(※3)のキャプテンに選出されたことについて、お聞かせください。

本当に光栄なことです。力のあるメンバーを率いるので、代表キャプテンとしての責任感は大変なものです。それでも、この経験を通してひとつ上のステージを目指したいです。

この度は、お忙しいところ本当にありがとうございました。応援しています。GO! GO! ROBOTS!!
留学生応援団 in 茨城ロボッツ 対秋田戦

2025年12月21日、留学生応援団は日立市の池の川さくらアリーナに集結!前日も秋田ノーザンハピネッツに勝利しており、この日はぜひ連勝をもぎ取りたいところ。ただ、ロボッツは前半、精彩を欠き、なんと11点差をつけられてしまいました。それでも第2クオーターで、ヤン選手が見事3Pシュートを決めてくれました。
そして第3クオーターでついに逆転を達成! 最終クオーターは失点をわずか4点に抑え、69-57でゲーム終了。見事に逆転勝利で連勝をものにしました。バスケットボールを初めて観戦する留学生も多数いました。「こんなにスピード感があるとは思わなかった。楽しい!!」と大興奮でした。

















