外国人も日本でスポーツ観戦したい
茨城ロボッツが5連勝、そのうちホームで3連勝(3月24日時点)。これまで僅差で勝利を逃すことがありB1の壁の高さを感じていましたが、今のロボッツには本物の凄みがあります。京都戦(3月6日)での26点差勝利のときは特にそう感じました。
やはりスポーツは燃えます。それは外国人留学生であっても、地元チームの情報に接する機会が増えれば、自然と応援したくなるものでしょう。私たち『LI』は、そういう狙いもあって、定期的に留学生をロボッツのホームゲームに招待しています。今では小規模ながら応援団もできました。このような活動をしている在日外国人は、きっと少ないでしょう。
実は、『LI』が留学生にアンケート調査したところ、「スポーツの現地観戦をしたい」という声が85.7%もありました(本誌9号掲載)。
ただ、ニーズが高いにもかかわらず、「どこに何のチームがあるのか分からない」「いつ試合をしているか分からない」など、基本的な情報を得る機会が少ない現状が浮かび上がっています。たしかに、バスケだけでなく、野球でもサッカーでも、日本では在日外国人をターゲットにしたスポーツビジネスはほとんど行われていません。これはとてももったいないことです。
ファン拡大の可能性を秘めている
野球の大谷翔平選手やバスケの八村塁選手の活躍に日本人が熱狂し、アメリカで試合観戦しに行く日本人が増えていると聞きます。それと同様に、私たち中国人も海外で活躍する中国人選手のニュースは気になるものです。茨城ロボッツには中国出身の遥天翼選手がおり、やはり応援に熱が入ります。他にも張本天傑選手(名古屋ダイヤモンドドルフィンズ、中国出身で現在は日本国籍)、王偉嘉選手(秋田ノーザンハピネッツ、B1唯一の中国籍選手)がいます。でも、ターゲットを絞った広報がされているわけではないので、彼らの活躍を知っている在日中国人はほとんどいません。もったいないですね。
中国人以外の在日外国人も同様のことが言えます。茨城ロボッツには、フィリピン出身のハビエル・ゴメス デ リアニョ選手がいます。フィリピン代表歴もあり、Twitterのフォロワーは3.5万人もいるスター選手です。彼を含めたフィリピン人選手の活躍を伝えるプロモーションがあれば、Bリーグを観戦する在日フィリピン人は増えるでしょう。
Bリーグでは、2020-21シーズンより「アジア特別枠」が設けられ、対象の中国、台湾、インドネシア、フィリピン、韓国の選手が増加しています。当然ながら、この新制度にはアジア市場でのマーケティング、スポンサー獲得、インバウンドPRへの期待も含まれています。それだけに、今後は在日外国人向けのプロモーション拡大にも期待したいですし、私たち『LI』もその活動の一翼を担っていきたいと考えています。