2001年に牛海綿状脳症(BSE)の影響で中国への牛肉輸出が停止されて以降、再開に向けた交渉が何度か行われてきました。
そして、2020年にようやく解禁される予定でしたが、コロナ禍が発生。動きがないまま、今に至ります。
それでも近年の中国のトレンドを考えると、アフターコロナで和牛がブレイクする可能性があります。
それでは茨城が誇る「常陸牛」はどうでしょうか?
中国展開の可能性について探ってみました。
海外に広がり続ける常陸牛
2014年にベトナムへの輸出から始まった常陸牛の海外展開。その後は、右肩上がりの成長を続けてきました。
とくに2018年度は輸出量が前年度比45%増と急増。これは海外での大井川知事によるトップセールスやPRイベントが奏功したことによるものです。
現在はベトナム、タイ、米国、シンガポールへの輸出が実現。加えてカナダ、フィリピンへの輸出も目指しています。中国展開については正式な輸出再開の決定次第ですが、大きな可能性があるのは間違いありません。
中国は世界一の牛肉輸入国
中国は伝統的に牛肉よりも豚肉の方が圧倒的に需要が高い国でした。
しかし、近年は都市部を中心に牛肉の消費が急拡大しており、国内生産が追い付いていない状態です。そのため輸入の割合が増加し、今では米国を抜いて世界最大の牛肉輸入国となっています。
消費拡大の要員は焼き肉、ステーキ、火鍋、串焼きなどの外食需要の伸長です。
中でも火鍋レストランは急増しており、2017年の売上げは4362億元(7兆1970億円)と外食消費額の22%を占めるほどでした(※中国の調査会社、克而瑞研究センター調べ)。
「常陸牛」の知名度を上げるためには
訪日した中国人観光客たちの間でも「松坂牛」や「神戸牛」は人気が高かったこともあり、その影響で中国内での知名度も高いです。
試しに抖音(中国版TikTok)で「神戸牛」と検索してみると、かなり多くの動画がヒットします。
一方「常陸牛」と検索しても動画は4件ほど。まだ輸入解禁前なので当然の結果ではありますが、ライバル和牛とはすでに大きな差をつけられているといえます。もしも営業戦略、PR戦略を立てるのであれば、こうした現状も考慮するべきでしょう。
現在、『LI』では中国人留学生ネットワークを活用した常陸牛のアンケート調査を実施中です。今後これらのデータを分析して、中国市場開拓のヒントを見つけられればと考えています。
ご興味、ご相談ある方はお気軽にご連絡ください。