4月26日、大相撲水戸場所がアダストリアみとアリーナで開催されました。大相撲では相撲道の普及、地域の活性化、青少年育成を目的に季節ごとに各地を巡業しています。今年の春巡業に水戸市が5年ぶりに選ばれたことで、相撲が盛んな茨城県民の間で話題になっていました。そして、この好機に日本の国技である相撲を留学生たちにも知ってもらおうと、LIが観戦に招待。当日の様子をお伝えします。
相撲が盛んな茨城県に大相撲がやって来る!
茨城県は相撲熱がアツいことは異論がないでしょう。長らくモンゴル勢に独占されていた横綱の位。そこに2017年、牛久市出身の稀勢の里が19年ぶりの日本出身横綱として昇進したとき、茨城県だけでなく日本中が沸きました。
その稀勢の里が現在は二所ノ関親方として阿見町に二所ノ関部屋を構え、県出身の関取も増え、茨城県はますます相撲が盛んになっています。
とはいえ、大相撲の本場所が開催されるのは、東京:両国国技館(初場所、夏場所、秋場所)、大阪(春場所)、名古屋(七月場所)、福岡(十一月場所)と決まっています。よほどの相撲ファンでない限り、会場まで足を運んで相撲を見たことがある人は少ないでしょう。
そんな折、巡業で水戸場所が開催されることが発表されました。これは生で相撲を見る貴重なチャンス到来!
とくに日本文化を学んでいる留学生にとっては得難い機会です。これまでも茨城ロボッツの試合に招待したことはありましたが、今回は大相撲の取組に招待しました!!
開場から期待感MAX
アダストリアみとに到着すると幟(のぼり)がズラリと並んでおり、9時を過ぎると朝太鼓の音が聞こえてきました。いよいよ開場です。入場を待つ人は長蛇の列を成しており、水戸場所を楽しみにしていた人の多さに圧倒されました。
茨城大学の留学生たちも集まりました。相撲について聞いてみると、「日本の国技というのはなんとなく知っていたけど、これまで見る機会もなかったし全然詳しくないです」とのこと。ならば、今日はとてもいい機会ですね。おぉ、近くに力士さんが来てくれました。ぜひ記念撮影お願いします!
会場に入ると、力士の皆さんは朝稽古に取り組んでいました。少しずつ、席が埋まっていく会場。みんなの期待感がドンドン高まっていきます。
茨城出身力士の登場に大歓声!
稽古の後は「力士ふれあい会」。茨城出身力士である高安(土浦市出身、前頭)、武将山(水戸市出身、十両)、天空海(あくあ、大洗町出身、幕下)の3人が土俵に登壇すると、場内からは割れんばかりの拍手が!地元ファンたちから「いつも見てます!」「がんばってください」と熱いエールがたくさん送られました。
次に行われたのは、力士の特徴などを独特な民謡に乗せて歌う「相撲甚句(すもうじんく)」。力士は歌がうまいことが有名ですが、美声が響き渡りました。
次いで、相撲の禁じ手を面白おかしく紹介する「初切」(しょっきり)が行われました。
。゚(゚^∀^)゚。ラリアットなどのプロレス技や蹴り技などやっちゃイケない技の応酬に会場は爆笑の渦に包まれました。
そして、ついに力士たちが土俵入り。化粧廻しをつけて土俵に勢揃いする姿は圧巻でした! いよいよ取組です。
高安や横綱照ノ富士の取組に興奮!
今回の観覧者の中には、見学で来ていた地元の小学生たちも大勢いました。子供たちからとくに人気だったのが地元出身力士の高安。彼の取組が始まると、「高安がんばれ~」の大コールが場内を包みました。
最後に登場したのは大相撲の頂点、横綱・照ノ富士です。貫禄の違いを見せつけてくれました。
撤収作業に協力、そしてラストサプライズ!!
すべての取組が終わり観覧者たちが帰路に向かう中、留学生たちは撤収作業のボランティアに従事。ゴミを拾い、席や機材の撤去を手伝いました。すると、ラストに素敵なサプライズが!?
なんと近くに二所ノ関親方(元横綱・稀勢の里)がいたのです!! 頂点・横綱まで昇り詰め大相撲史に名を残した、現役のときも今も茨城のヒーローです。お願いしたら、快く記念撮影に応じてくれました。
これは家宝にするレベル。留学生のひとりは「今回の水戸場所で大相撲に興味が出ました。テレビで見るよりも、生で見るとやはり迫力が違いました。これから本場所にも注目したいです」と語っていました。みんなにとって、とても有意義な日本文化体験だったようです。