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二十三夜尊周辺に再び活気を! そばとドラム、そして木蘭酒家へとつながる縁!!

INTERVIEW│有限会社コガワエージェント 代表取締役 粉川 健(聞き手 LI編集部)

当社LEIDEASでは、チャイニーズバー「木蘭酒家(もくらん しゅか)」のオープンを準備しており、いよいよ5月23日にオープン!
テナントとして入居するのは、歴史あるお米屋さんだった場所。オーナーの粉川さんにかつての町の様子と、これからへの期待について伺いました。

賑わい絶えなかった二十三夜尊周辺

─ 木蘭酒家がオープンするこのテナントは、粉川さんのご家族が代々営んでいた歴史ある米屋さんと聞きました。

そうですね。初代は明治20(1887)年とか、30年とかの頃にこの地にやってきたそうです。それから代々米穀商を営み、私の父が3代目。父は生涯米穀商でしたから、130年ほどの歴史を歩んできました。

昔のことを言うと、ウチの隣には八百屋さん、肉屋さん、魚屋さん、パーマ屋さん、写真屋さんなどが軒を連ねていて、この二十三夜尊周辺はいつも大賑わいでした。私が小学校から帰る頃、町には食べ物を焼いた良い匂いが漂っていてね。そこに買い物に来たお母さんたちが集まって、子供たちは外でイタズラ遊びして近所の親父さんに怒られていたっけ。

─ なんだか昭和の活気があった時代が浮かんできます。しかし、そこまで賑やかだった門前町が、残念ながら今は寂しい状態です。その変遷を教えていただけませんか。

商店数は多かったですが、ほとんどがテナントを借りていた人たちでした。土地を持って代々この地で商売していたのは、うちを含めてわずか5件ほど。だから、ほとんどは時代や生活の変化に合わせて移っていきました。「変化」というのはコンビニやショッピングモールの台頭など色々ありますが、各地の商店街が辿った状況とほぼ同じです。

ここまで悪化してしまうと、従来のやり方では限界があるのは明らかです。だから、木蘭酒家が単にお店を開くだけではなく、「ここを起点にして、町に賑わいを作りたい!」と話されていたので嬉しくなりました。若者や留学生の力に期待しています。

そばがつないだ不思議な縁

─ 粉川さんは、『茨城のそば屋さん』(茨城新聞社刊)の監修を手掛けたり、「水戸のそば祭り」を開催するなど、そばに造詣が深いとお聞きしました。これはやはり地域活性化を目指してのことでしょうか。

茨城県は何と言っても、最高峰のブランド品種「常陸秋そば」の産地です。だから、これを町おこしにつなげようと色々なことを企画しました。とはいえ、私にとってそばは純粋に趣味・道楽なんです。ただし、全身全霊で打ち込んだ趣味ですが(笑)。

私には子供の頃から、ちょっと人と違ったアンテナが張られていました。みんなが巨人の王や長嶋に夢中になっていた頃でも、私が夢中になったのは「ザ・ベンチャーズ」(※1)で、しかもドラム。学生時代からバンド組んで、大人になってからもずっとドラムを叩いてきましたよ。

加えて夢中になった趣味がそばで、25年ほど前から“そばの神様”とも呼ばれる「高橋邦弘」氏(※2)に師事しました。私もカバン持ちとして、師匠とともに全国のそば産地を巡る「そば行脚」をしてきました。そうしているうちに各地に知り合いができ、中には雲の上の存在だった有名人ともつながることができました。例えば、日本一のドラマー「村上"ポンタ"秀一」さん(※3)とかね

─ えっ? 今、なんておっしゃいました? あの村上"ポンタ"秀一さんですか? “ドラムの神様”と呼ばれた超大物ですよね!? ご親交があったんですか?

はい。私が主催するそば会にも度々来てくれたり、水戸のイベントで演奏してくれたこともあります。ありがたい話です。お亡くなりになったばかりでね。ご家族に連絡して献花させていただき、お別れしてきました。

─ いやぁ、すごい話にビックリです!! 私もジャズやフュージョンにハマった時期がありまして、PONTA BOXのライブを観に行ったことがあります。そのテクニックはまさに神業でした。それにしても、“そばの神様”と“ドラムの神様”と親交を重ねていたとは! 粉川さんの持つ不思議な縁パワーがぜひ木蘭酒家にも良い影響を与えてくれますように。

ゴルフ仲間と飲み会するときなどに利用させてもらいますよ。がんばってください。

自宅に設置したこだわりのそば打ち部屋。飾ってある写真は師匠の高橋邦弘氏。

 

※1 ザ・ベンチャーズ

1959年アメリカで結成。世界中に巨大な影響を与えたロックバンドの祖。結成60年を越えた現在でもなお活動中。

※2 高橋邦弘

1944年東京都出身。自身の店舗運営だけでなく、玄そばを求めて全国の産地を訪ね、指導を行い、そば会やそば祭りにも参加。弟子たちのお店によって形成している翁達磨グループ店は全国に及ぶ。仕事への一途な想いは『情熱大陸』(2004年)や『プロフェッショナル 仕事の流儀』(2013年)などでも特集され、大きな話題となった。

※3 村上"ポンタ"秀一

1951年兵庫県出身。渡辺貞夫、山下洋輔などのジャズから、沢田研二、松任谷由美、矢沢永吉、桑田佳祐などのポップス、ロックまで、巷に流れる音楽のほとんどでドラムを叩いていた超一流ドラマー。自身初のリーダーバンド「PONTA BOX」でも素晴らしい音楽性を表現しているので、ぜひアルバムを聞いてほしい。2021年に他界、享年70歳。

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