今回は特別編!茨城県庁企画部にて自転車政策を立ち上げて今に至る盛り上がりを生み出した根本博文さんによる特別寄稿です。
自転車による茨城県地域振興の立役者である根本さんの自転車エッセイ。サイクリストならずとも必読です!
私にとって身近な乗り物だった自転車
自転車というと皆さんは何を連想しますか。
私にとっては、子ども時代の移動の道具でした。小学校に上がる前に、父親に支えられながら自転車乗りを覚えると、自分の足でどこまでも行ける気がして楽しくて楽しくて仕方なかったことを思い出します。
友達と一緒に遠出したり、中学校、高校に進学してからは多段式のスポーツ車を買ってもらい、普段の通学に使うほか、休日には水戸から日立市の親戚まで6号線を往復したり、常陸太田市の西山荘に歴史調査と称して友人と往復したりと頻繁に乗ったものです。
大学に進んでからは、短期間バイトで購入した「カワムラNISHIKI」で木曽路などに輪行したり無謀とも思える自転車旅も楽しみました。
それほど、私にとって自転車は、生活に身近な乗り物でした。
ところが、社会人となってからは、自動二輪車や自動車に趣味が移行してしまい、自転車に乗る機会はほとんどなくなりました。
私の年代であれば、おそらく同様の経験をした人は多いことと思いますが、今の人たちには、こうした自転車を身近に感じる生活はなくなってきているかもしれません。
自転車による地域振興で生まれた成果とこれから
そうした中で、県庁職員時代に取り組み始めた「地域振興としての自転車活用政策」は、今にして思えば画期的だったと思います。
誰もが、自転車が地域振興策になるというイメージが結びつかない状況下で、仲間と共に、ひとつひとつ積重ねてきた成果が、10年たたない間に「ナショナルサイクルルートつくば霞ケ浦りんりんロード」の認定にまで至ったことには、正直驚いています。
これからは、県内全域で、スポーツサイクリングとしての自転車、観光サイクリングとしての自転車、そして一番大事な視点だと思っている、日常生活に溶け込んだ自転車の活用促進に、楽しみながら関わっていきたいと思っています。