INTERVIEW │ 社会福祉法人木犀会
【左】小規模多機能型居宅介護事業所 ゆりのき 塩沢 玉恵(王玉萍)さん
【右】軽費老人ホーム ケアハウス悠 金原 正恵(胡淑兰)さん
- 日本にいらして何年ぐらいになられますか?
塩沢 私は17年目になります。
金原 私は21年です。
- 来日のきっかけは何だったのでしょうか?
塩沢 ちょっと環境を変えてみようというのがあって、友人の誘いできました。
ですがその頃は日本への興味も正直なかったですし、日本語も恥ずかしいぐらい全然喋れなかった。「ご飯ですよ」と言われても「えっどういうこと?」って意味が分からずに反応できなかったです。それが気づいたら17年も(笑)。
金原 私は妹が日本で結婚していて、出産するというのでその手伝いにきたのが最初です。
その時は日本で働きたいとかそういうことではなかったです。でもその時、妹が友達を紹介してくれて。これがきっかけです。
- 介護のお仕事をはじめたきっかけを教えてください。
塩沢 一番最初は子育てしながら内職をしていました。日本語を勉強して通訳をやっていた時期もあったのですが、その後あまり日本語を使わない職場で働いていました。それで日本語がどんどんできなくなっていっているような気がして、話をしながらできる仕事があればと思って、調べたら介護の仕事を見つけました。
最初は日本語もうまく話せないし、仕事自体にも抵抗感がありました。ですがやってみるとすぐに、離れたくないぐらい皆のことを好きになりました。
自分の親が中国にいるから寂しく感じていた自分に対して優しくコミュニケーションをとってくれるし、本当に利用者さんみんなが“お父さんお母さん”というような気持ちになります。そういう気持ちで接すると、心はきっと通じているのですよね。
- 木犀会は利用者の方もスタッフの方も明るい印象があります。
塩沢 施設が清潔で職員も明るい。それが私の最初の印象で、そのことが一番好きです。
明るいとチームワークもよくなりますから。仕事ではチームワークが一番だと思っています。
金原 私は別の老人ホームで4年間働いていましたが、体力的に不安を感じていました。その頃、以前同僚だった友人が木犀会で働いていて、「木犀会は働きやすいから」と誘ってくれました。その通りだと思います。私以外にも実際に働いている人からの紹介で働き始めた人は多いですよ。
あと木犀会には訪問介護やデイサービス等部署がいろいろあるので、自分にあった場所で働けるのも良いです。
そして上司の方は外国人でも日本人でも同じように対応してくれます。
- 日本の介護で学んだことは何でしょうか?
塩沢 やはり責任感と清潔感とチームワーク。そして一番大事なのは心をこめて接するということ。
そうすれば利用者様からも良い反応がかえってきます。だからそれはすごいやりがいがあります。
金原 お年寄りにきちんと向き合っているところ。日本の施設は本当に住みやすいです。
将来の夢ですか?昔は、日本で学んだ介護を中国で、と考えていました。兄弟と一緒にこういう木犀会のような理想的な施設をやればお年寄りをみてあげられるし、私もやりがいがあるから一番いいなと思って。だけど私も歳をとったから(笑)、今は考えていません。
でも今ひとつ考えていることがあって、日本に中国人いっぱいいるでしょう?そういう日本にいる中国人向けの高齢者施設があると助かるなって思います。それに日本で生活している中国人が高齢の両親を呼び寄せて、安心して施設に入ってもらえるかもしれない。
そうやって最後までみんな幸せに暮らせたらいいなって思います。
社会福祉法人 木犀会│笠間市│
障がい福祉サービス事業
設立/1996年(平成8年)
職員数/452名(2020年4月1日現在)